雪ノ下一丁目

大河ドラマ「北条時宗」レビュー/ストップ!実時くん連載中

#01鎌倉大激震

蒙古襲来と対峙した鎌倉幕府執権・北条時宗の父・北条時頼は、執権に就任したばかりの宝治元(1247)年、毛利季光の娘・涼子との政略結婚で宿年の政敵・三浦一族との来るべき対決を制そうとする周囲の思惑をよそに、今後は三浦と手を携えて政を行うと涼子に約束する。時頼は、妹の喪に服す先に三浦一族の棟梁・泰村の邸を選び、泰村を説得して和議を結ぶ。しかし、泰村の弟の光村が北条の罠と疑い兵を引き連れ泰村邸に駆けつけ、また時頼の外戚安達義景が和議を無視して泰村邸を強襲し、世に言う宝治合戦が勃発。戦を止められなかった時頼は、髻を切って死んだ覚悟で合戦を指揮する。毛利季光は、時頼に涼子と鎌倉の未来を託し、妻の実家である三浦一族に加勢して共に頼朝法華堂で自害。父の思いを知らない涼子は、約束を破った時頼を許せず父の仇を取るためと言って、北条一門の長老・重時の養女となり時頼に嫁ぐ。時頼と涼子の不仲を見たもうひとりの北条一族の長老・政村は、讃岐局を側室に送り込み、宝寿丸(のちの北条時輔)が誕生。その三年後、涼子も時頼を許せぬまま男子をもうける。正寿丸、のちの北条時宗の誕生であった。

感想

一話、超面白かった。トンデモ大河と呼び声高い本作であるが、意外にも第一話は陰謀渦巻く鎌倉をドラマチックに描いた正統派大河という出だしだった。しかし初回から結構情報量が多い。そして北条って全方位から嫌われてんなあwという印象を持たせる。北条の敵方登場人物が、「草燃える」から牧の方→毛利季光の妻の藤子(大谷直子)と梶原景時→高師氏(江原真二郎)、「太平記」からは長崎高資足利泰氏西岡徳馬)、阿野廉子→泰氏前妻の桔梗というように、鎌倉時代を扱った過去の大河ドラマからの怨念を引き継いだような配役という念の入れようであった。鎌倉時代中期というなじみのない時代だから、過去に放送された鎌倉時代大河ドラマにとっかかりを持たせようとする苦心が垣間見える。

 

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