雪ノ下一丁目

大河ドラマ「北条時宗」レビュー/ストップ!実時くん連載中

ストップ!実時くん第一話「男の子?女の子?」

プロローグ

大河ドラマ北条時宗」が放送していた頃、某掲示板で「実時はきょうだいが女ばかりという『ストップ!ひばりくん』のような環境で育っているから、女装男子である可能性がある、そのため大河ドラマの実時の配役がピーター(池畑慎之介)になったのではないか」という書き込みがあったのを思い出し、『ストップ!ひばりくん』を読み直してみたところ、まさに実時とひばりくんが同じような境遇だったので、原作の冒頭を実時周辺に置き換えてみたのが以下の漫画である

 

ストップ!実時くん第一話「男の子?女の子?」

 








 

【総評】大河ドラマ「北条時宗」

※長文です。書いた人の鎌倉幕府観が古いかもしれませんが見逃してください。後半ぼくのかんがえたさいきょうのときすけの話になってます。

北条時宗」のテーマ

大河ドラマ北条時宗」は、「蒙古襲来と兄弟の対立がテーマ」だと脚本家はインタビューで答えている(「NHK大河ドラマストーリー北条時宗前編」より)。確かにこのテーマはブレずに最後までその通り進んでいった。鎌倉を統べることを生まれた時からに宿命づけられた北条得宗家の嫡男・時宗と、その兄でありながら側室腹のため生まれながら日陰の存在であることを強いられた時輔。鎌倉と得宗家の安泰と永続のため父・時頼は時宗を引き立て時輔を虐げ、反体制勢力は時輔を利用して得宗家転覆を狙う。周囲の思惑に翻弄され、仲の良い兄弟は引き裂かれていく。そこへ忍び寄る蒙古の影。その生い立ちから身分も生まれも関係ない世の中を希求する時輔は、桐子に蒙古という国の壮大さを教えられたことで視野を広げ、狭い鎌倉の地で古い体制を守り続ける弟の時宗に「国を開く」ことを教える。時宗は「国を開く」ことはすなわち蒙古の属国に甘んじることであると反発。兄を殺し、国の誇りを守るべく心ならずも蒙古との戦に突入するが、この頃から時輔の考えに共鳴し始め蒙古に負けて鎌倉や北条が滅びても民を守らねばならないと考えるようになる。そして殺したはずの兄との邂逅。自分が時宗への恨みを捨てたように蒙古への恨みは捨てて和睦し国を開け、と時輔は兄弟の情に訴えて説得するが、一方的に攻め込まれた挙句降伏するということは戦で死んだ者が無駄死になるということである、先の戦への償いがなければ徹底抗戦するとあくまで一国の指導者として和睦を拒む。そして二度目の蒙古との戦い。時宗はこの戦に勝ったら古い政は捨て、小国と侮られることのない「新しき国」を作ろう。それは蒙古のような、生まれも身分も異なる者たちが皆で政に当たる、幕府も北条も御家人もない世の中である。まさにそれは、時輔と時宗の二人の兄弟が愛憎の果てに生み出した絆の結晶であったーーー

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時輔所感

※時輔に対して当たりきついので、時輔好きな方は閲覧を控えてください

大河ドラマ北条時宗における裏主人公とも言うべき北条時輔。その境遇に加え、渡部篤郎の醸し出す陰のある色気で人気あるのも分からなくはないけど、ちょっと私には時輔の思考回路が理解不能でどうにも感情移入できなかった。

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#49 永遠の旅

時宗は日本と蒙古双方の戦没者を供養するため円覚寺を建立後、政から退く。祝子は死にゆく時宗のために尽力。病床に泰盛と頼綱を呼び寄せる。泣いてどこまでもお供するという頼綱。病を隠し己の使命を果たした時宗を泰盛は真の鎌倉武士と称賛し、頼綱とともに貞時と幕府を支えていくことを誓う。そこへ顕時が、大元の内部抗争で日本を攻める余裕がなくなったため蒙古との戦は終わったと報告。四人は感涙に咽ぶ。時宗は涼子に人の命の大切さを教えられたと感謝し、貞時と時利に、生涯で大勢の命を奪った自身が死を前に恐怖する心のうちを明かし、だからこそ殺すのは酷い、人を殺すな、誰も殺すなと遺言する。時輔は時宗の新しき国づくりを見届け一人の民として生きることを伝えるため、松浦党の女主人となった桐子らに見送られて博多を立つが、時宗危篤と聞き鎌倉へ急行。宗政の遺骨と共にようやく兄弟3人が揃う。時宗は初めて感情を爆発させ、会いたい人がいる、行きたいところがある、死にたくないと時輔に取り縋り、大陸に連れて行ってくだされ、と頼み息を引き取る。弘安7年4月4日、34年の生涯であった。泰盛は時宗の意志を継ぎ新しき幕府を模索するが1年後、頼綱に滅ぼされる。光を失った頼綱は時宗になりかわろうとするが8年後、成長した執権貞時に討ち滅ぼされる。クビライは日本にこだわり続けたまま10年後に崩御する。時輔は世界の果てを目指す旅に出たがその後は誰も知らない。出家して覚山尼と改めた祝子は、竹崎季長が作らせた蒙古襲来絵詞を眺める。絵巻とともに、蒙古から国を守った執権として北条時宗の名は語り継がれていくー 【完】

淡々と死に臨む時宗が最後の最後に時輔に会って感情を爆発させるシーンは胸に迫る

兄弟の国を巻き込んだ愛憎劇は時輔の腕の中で時宗が生を終えることで終着点を迎えたのだ

でも兄弟二人がたどり着いた新しき国とかいう理想は宙ぶらりんになっちゃいましたね

あと誰も殺すなって貞時に無茶振りすんなw

#48 運命の嵐

合流した蒙古軍の船団が平戸沖に姿を現した。時宗が差し向かわせた服部が率いる悪党たちが宗政らの加勢に加わる。そこへ時輔が来て、嵐が来る前に蒙古兵を日本に上陸させよと言うが当然宗政に追い返される。さらに時輔は蒙古船団の大将にも同じ勧告をして捕えられる。鎌倉では時宗が万が一自分が死んだら、二人で力を合わせて身分も生まれも乗り越えた新しき国を作れと貞時、時利(明寿丸)に伝え、古い政にしがみつく泰盛には御家人に担がれる前に引退せよと告げる。泰盛はついに時宗を討つことを決断。それを阻止しようとする頼綱と殺し合いになり時宗に止められる。直後病で倒れる時宗。九州に嵐が来て蒙古の船団は壊滅。時輔に感化された宗政は浜に打ち上げられた蒙古兵の救助を始める。漂着した時輔を見つけた喜びも束の間、宗政は蒙古兵に刺され死ぬ。この知らせが鎌倉に届くのは十日後、時宗の命の炎はもう尽きようとしていた

時輔「まず安全に上陸させてくれ、さすればワシが話し合いの場を作」宗政「いい加減にされよ!!」ズバーン

いいぞ宗政よく言った!!全視聴者が溜飲を下げた!!しかし急激に時輔の博愛主義に染まって救助しようとした蒙古兵に殺されるという悲劇…時輔お前のせいだぞ!

宗政の悲劇は、最初見た時は宗政これじゃ犬死にじゃん…と思ったが、必ずしも時輔の思想が正しいとは言い切れないことを示唆する重要なシーンだと思うようになった。

 

頭がおかしいプレ霜月騒動

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#47 弘安の役

東路軍四万、江南軍十万の蒙古軍が日本に迫ってきた。時宗はこの戦に必ず勝ち、誇りを持って国を開こうと考えていた。時宗に国を開くことを教えた時輔は趙良弼と再会し、蒙古の国づくりのやり方は新しい時代へ扉を開くと教えられ、日本へ帰り幕府という大きな建物に扉を開こうと決意する。弘安466日、ついに博多湾に東路軍が現れるが、石塁と宗政率いる御家人の奮戦に上陸を阻まれる。河野水軍の夜襲も功を奏し、東路軍は博多湾から撤退。しかしまだ蒙古軍には後陣が控えていた。引退勧告をされて時宗との決裂が決定的になった泰盛は、北条の世を時宗の代で終わらせようと決意する

 

#46 クビライを討て!

謝国明は九州御家人に協力し石の砦を築き上げた。そして運命の弘安四年。日蓮や無学祖元が予言するように、この年に蒙古との戦が必ず起こると思い定めた時宗は、宗政に初めて不安を吐露する。宗政は時宗の代わりに自分が石の砦に立って兵を率い必ず勝利すると誓い、博多へ出立していった。同じ頃、大都に潜入していた佐志房はクビライ暗殺を決行するが失敗、桐子と時輔の前で殺される。鎌倉では、泰盛が家時らを率いて、御家人と幕府を柱に国難に立ち向おうと時宗に進言する。時宗は、もはや今の柱の腐りかけた幕府を守るつもりない、敵の蒙古では生まれも身分も異なる者たちが皆で政に当たるという、それが国というものの本来の姿なのではないか。蒙古に勝つためにはこれまでの国づくりを改めねばならぬ、某は幕府より北条より御家人よりこの国と民を守る、と宣言する

 

 

( ゚д゚)

 

 

えっ…何最後の…

鎌倉時代に自分の一族や幕府、御家人不要論と民主主義…

ドラマとはいえちょっとこれは…

時宗、いつ時輔に洗脳されたの??

26話からじわじわと時輔の開明的()な考えに脳が侵食されてついに今回発病したのか…?

時輔みたいな半オリキャラならともかく時宗になんてことを言わせるのだ…

鎌倉幕府を根本から全否定する暴言

執権殿ご乱心で更迭されるレベル

ありえない…ありえない

時輔への情を断ち切って蒙古に一貫した対応取り続けて、せっかく個を超えた怪物になったと思ったのに…